あるある?デザイン入稿で起こったレアなミスをご紹介。

10年ほどデザインチームのリーダーとして企業で働いていた時
自分のやらかしも含め、たくさんの入稿ミスを見てきました。

グラフィックデザインの入稿ミスは致命的。
お客様の信頼も損ないますし、再度の印刷によりお金がかかり
そして上からの原因究明が待っています。(ツラい!)

なんてこんなことになったんだ・・・

そのため、グラフィックデザイナーは入稿ミスには敏感。
日々頑張って対策をしているのです。

私の前在籍していた会社では、入稿チェックリストなるものを作成し運用していました。

 

とはいえ人が関わっているものに100%はありません。

こう来たか~(><!)と思わずうなってしまう?ミスもたくさんありました!
その中でも印象に残っている入稿ミスをご紹介します。

デザインのど真ん中に●●が!

大型ポスター作成の時に起きた出来事です。

大型ポスターのイメージです。

お客様に納品されたものを見ると・・・。

中村とは入っていませんでしたよ。

謎の文字が入っているではありませんか。
入稿時のデザインチェックではA4サイズで縮小したものを確認するので誰も気が付かず
指摘されて初めて何だコレは~~!!と一同驚愕。

おそらく何かの拍子にペーストしてしまったと思うのですが
制作者本人も全く気が付かずの出来事でした。

ボカシがこんなところになぜ?!

これは、Illustratorのバグです。
やはり大型ポスターで起きました。

細かいことは説明を省きますが
下記の画像のように、真ん中の丸にボカシのエフェクトをかけると
遠くの四隅に反射したようなボカシが勝手に生成されてしまうのです。

上記のように単色だとわかりやすいんですが、
実際はもっと複雑な模様の中に反射ボカシが入ってしまったため、本人も2次チェックでも気が付くことができませんでした。
(お客様がよく気が付いたなと思うレベル)

大きなポスターにボカシエフェクトをかけるときは要注意です。
今はさすがにもうIllustratorに修正入ったかな・・。入ってるといいな・・・。
ソフトを信じすぎる?とこういうことが起きるという、いい例だったなと思います。

画像を反転させたら文字も反転してしまった!

画像を反転させた方がデザインするのに都合がよかったため
何の気なしにやったところ、よく見たら文字が入っていて
文字が反転しているとお客様から指摘された件。

ぱっと見なんでもない写真ですが・・・

ぱっと見なんでもない写真ですが・・・

よく見ると英語が反転しています。

よく見ると英語が反転しています。

似たようなデザインが競合店に納品されてしまった!

私の在籍していた会社は全国に支社があり、それぞれデザイン課があります。

2支社がそれぞれ異なる車の代理店と契約しており
のぼりデザインを納品したところ
偶然似たデザインだったということでした。

車の代理店って結構近くに競合店がひしめいていますよね。

ライバル会社と似たのぼりを立てるわけにもいかず、のぼり回収。
同じ会社で連携を取っていないのか!とお客様は怒り心頭でした💦

デザインがごっそり消えた!?

これは忘れもしない、いつも本当に慎重な後輩ちゃんがやってしまったミスです。

入稿準備ができ、本人チェック、2次・最終チェックも終わり
完璧な状態で入稿したはずのフライヤーの一部がごっそりなくなっていた事件。

わかりやすく言えば、この↓デザインの・・・

イメージです。

下の部分がごっそり消えた状態で納品されてしまったのです・・・!

原因を本人に聞いてみたら、
入稿時に自分で最終チェックをしたところ
データのデザイン外にあった余計なオブジェクトがどうしても気になり、削除したところ
それがデザインの一部とグループ化されていて一緒に消えてしまったとのこと。

Illustratorをいじったことがない方はなんのこっちゃだと思いますが
Illustratorには
・黒い矢印の「選択ツール」と
・白い矢印の「ダイレクト選択ツール」
というのがあり、黒い矢印で選択するとグループが一括で選択されるんです。

私はこれが怖いので、削除するときはグループ選択されない白い矢印で選択するようにしています。

デザインデータが修正前に戻った!?

今はもうないと思いますが、昔はこういうことがちょいちょいあったんです。。
保存したのに保存されていないというIllustratorのバグだと思われます。

自分のミスの言い訳にも聞こえるかもしれませんが
私も実際何度か目の当たりにしたことがあるので本当のことです。

当時は。
Illustrator5.5~10くらいの時代だったと思います。
今はもうそんなことはないと思うので、残念ながらそんな言い訳はできないですね。

というか、修正箇所が全て修正されているかをチェックしてから入稿すべきなので、
本来なら言い訳にもならないんですけどね・・^^;

このデータが最新だから正しい という思い込みのみで入稿をしてしまったことで起きたミスだとも言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

あるあるでしたか? それともこんなことあるんだ!って感じでしょうか。

きちんとチェックできる人はミスがどんどんなくなるのに対し、
ミスを何度も起こしている人ほど細かいチェックを嫌がり、再度ミスをするというループが起きていたのが印象に残ってます。

クレームは起こされた方(お客様)も大変ですが、起こした方もかなりの精神的ダメージを受けます。
私はチームのみんなに無駄にダメージを与えたくなかったので、
こういったクレームにつながるミスについての記事をみんなが忘れそうなタイミングで回覧していました。
そろそろこういうミス起きる気がするから注意してね~と。

その甲斐あってか、私のチームの人たちはチェックが大事なことを骨身に染みてわかってくれており、ありがたいことにクレームが(ほぼ)起きないチームになっていたんです。みんなしっかりしていて本当に素晴らしいチームだったなぁ。

ちょっと話がそれました。

入稿ミスは「うっかり」と心のどこかにある「大丈夫だろう」が原因で起きることが多いです。
いつもだったらちゃんと確認したのに。
いつもだったらこんなミスしなかったのに。
でもなぜかその時ばかりはそうしてしまった。

集中力が切れた状態で入稿するのが一番怖いです。
入稿は集中してやる!集中できない時にはやらない!
これ鉄則です。仕事をしているとなかなかそうもいかないのがつらいところ。

デザインをご自分で入稿される方は多いかと思います。
入稿作業は、普段からよく食べよく寝てよく笑い、
何が起きるかわからないていで集中して取り掛かりましょう!

P.S.
デザインの営業さんへ。
急な入稿・急ぎの入稿は大変危険なことだと少しでもわかっていただければ幸いです。
お客様>デザイナー というのは重々承知です。
ただ、急げばミスが起きるかもしれない可能性が高まり
結局お客様にご迷惑をお掛けしてしまうことを考えれば
入稿にきちんと時間を取ることの重要さを念頭に置いていただくことは
一考の価値があるかと思います。

何卒。

伝える・伝わるデザインでした!